企業法務とは?会社における役割や仕事内容、求められるスキルを徹底解説

転職

「法務」というと、法律のイメージが強いと思いますが、具体的な仕事内容についてはよく分からないという方は多いのではないでしょうか。
わたし自身、過去に未経験から法務部に転職し、法務の仕事に携わりましたが、仕事内容は多岐にわたりました。

今回は、会社における企業法務の役割や具体的な仕事内容を紹介します。求められるスキルや持っておくと有利な資格も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください🌸

企業法務の仕事内容

企業法務の役割は、「会社の法的トラブルを未然に防ぐ」ことと「起こった法的トラブルを解決すること」です。会社のリスクを最小限に抑えて、利益を守るためにとても重要な存在です。

ここからは、企業法務の具体的な仕事内容を6つ紹介します。

契約書類の作成・審査

まず、法務の主な仕事は、契約書類の審査・作成です。

企業では、日常的に取引先との契約が交わされます。そのときに、契約内容が法律上適正か、自社のリスクが高くないかを確認する必要があります。
法務は、適正かつ法的リスクを最小限にした契約書の作成や、契約内容の確認を行います。

ただし、この契約業務は、ただ単に自社に有利な契約書を作成すればよいわけではありません。
あまりに偏った内容だと取引先に受け入れてもらえず、交渉が難航し、さいあく取引自体が無くなってしまう可能性があるのです。

自社の利益だけでなく取引先の事情も考慮したうえで、バランスのとれた契約書の作成・審査が重要です。

法律に関する社内の相談窓口

社内で法律に関する相談を受けることも法務の役割です。
例えば、顧客の個人情報の取り扱いに関する相談や、取引先とのトラブルに関する相談、契約内容に関する相談などが挙げられます。その他にも、組織内でのハラスメントに関する相談など社内の問題に関する相談もあります。
企業によっては、法務部を相談窓口として設定しているケースも多いでしょう。
こういった相談を受けたとき、法律や規則などに基づいて、どのように対応するべきか正確な回答をしなければなりません。

法的紛争やトラブルの対応

企業法務の仕事内容には、会社で起きた法的紛争やトラブルに対処することも含まれます。
例えば、他の会社から権利を侵害していると訴えられた場合の訴訟対応や、従業員との労務トラブルの対応、行政処分や行政指導に対する対応、消費者からのクレーム対応などが挙げられます。
このような場合に、会社が大きな損害をこうむることがないよう対処するのが法務の役目です。

法的トラブルの予防

会社の法的トラブルを未然に防ぎ、仮に法的トラブルが生じてもすみやかに対処できるよう対策を行うことも法務の仕事です。

法的紛争やトラブルが起きてから対処していると、会社が大きな損害をこうむる可能性があります。
また、裁判ともなれば膨大な費用や労力がかかり、会社にとって大きな損失となるでしょう。
法務は、このような事態を回避するためにあらかじめ予防する役割を担います。

具体的な予防策としては、コンプライアンス規程や就業規則、社内規程などの作成・整備、他社の権利を侵害しないかの事前確認などが挙げられます。

新規事業やM&Aなど企業支援の法的支援

法務は、会社の経営上の施策のために、積極的に法的なサポートを行う業務を担います。
具体的には、M&Aの対応、海外進出にあたっての現地法規制の調査、新規事業を立ち上げる際のリスク検討など、企業活動の意思決定について法的サポートやアドバイスを行います。

このような業務は、高いレベルの法律知識に加えて経営者視点が求めらます。そのため、業界を熟知し、長年企業法務の経験を積んだ人が担うことがほとんどです。

株主総会・取締役会の運営

株主総会や取締役会の運営も法務が担うことがあります。
具体的には、実際に決議が必要かの判断や、招集通知の作成、議会進行などが挙げられます。
このような業務は、役員や他部署の人と関わることが多いため、法律知識だけでなく、コミュニケーション力も必要となります。

会社によっては、総務部が準備や運営を担うこともあります。

企業法務に就くのに有利なスキル

紹介したとおり、企業法務の仕事内容は多岐にわたるため、多くの知識やスキルが求められます。
ここからは、法務の仕事に就くのに有利なスキルを紹介します!

法律知識

当然ながら、法務の仕事には法律知識が求められます。
企業法務に正しい法律知識が無ければ、会社に起こった法的トラブルや法的相談に対応できないためです。
例えば、民法や会社法、独占禁止法、景品表示法、薬機法など、業界によりますが幅広い法律知識が必要です。また、頻繁に法改正されるため、最新の法令を理解しておくことも重要です。

そのため、法学部や法科大学院出身者、法律関連の資格がある人は優遇されやすいでしょう。
有利な資格としては、ビジネス実務法務・ビジネスコンプライアンス検定・弁護士・司法書士・行政書士などが挙げられます。
資格がない場合でも、基本的な法的知識があること、入社後に積極的に習得する意欲をアピールしましょう!

コミュニケーション力

法務の仕事はデスクワークだけではありません。
社内の法律相談に対応したり、法的対応について打ち合わせをしたり、ヒアリングしたり、他部署の人と関わる機会が多くあります。また、取引先や外部の弁護士などとやり取りすることもあります。
そのため、ある程度のコミュニケーション力は不可欠です。

業界知識

法務は、所属している会社の業界や事業内容に精通している必要があります。
ただ単に法的アドバイスをするのであれば外部の顧問弁護士で事足りるでしょう。ただ、顧問弁護士が自社の業界に関する知識があるとは限りません。
業界や会社の事情を考慮を理解したうえで、会社にとって最適な提案やアドバイスを行うのが法務の役割です。
そのため、法務は、法律知識だけでなく、その業界や事業についてしっかり理解している必要があるのです。

【実体験】未経験から法務に転職に成功

私自身、過去に未経験から企業法務に転職した経験があります。
しかも法学部出身でもなく(むしろ理系出身です汗)、業界も未経験でした。

法務への転職は無理だろうな・・と思っていましたが、とにかく捨て身の覚悟で全力で転職活動に挑みました。
転職エージェントさんを利用して、法務関係の求人を紹介していただき片っ端から応募しました。
面接では、法律事務所で働いた経験があること(一般事務ですが・・)、今後意欲的に法律や業界について勉強する意欲があること、人当たりやコミュニケーションには自信があることをアピールしまくりました。「ビジネス実務法務検定2級は最低限とってほしいんだけど」と面接官に問われ、「取ります!!!」と即答しました(ビジ法2級は入社後とれました)。
あと、面接後に転職エージェントさんが結構後押しをしてくださったようです。

そんなこんなで入社できました。アピール次第では転職できるんだなぁと実感しました。

まとめ

会社のリスクを最小限に抑え、利益を守るために法務はとても重要な役割を担います。
机上の法律知識だけでなく、関係者との積極的なコミュニケーションが必要となります。

やりがいがある分狭き門ですが、対策やアピールの仕方次第では十分チャンスはあるでしょう。

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