「低用量ピルを飲むと、どれぐらいの避妊効果があるの？」「どういう仕組みで避妊できてるの？」と疑問を持ったことある方は多いのではないでしょうか。
わたし自身、約3年間ほど低用量ピルを使用しています。
その際、避妊効果や仕組みが気になり、詳しく調べました。
今回は、低用量ピルの避妊効果について解説します。
避妊確率や効果やその仕組み、低用量ピルの正しい飲み方なども解説するので、ピルの服用を検討されている方はぜひ参考にしてください。
低用量ピルとは
まず、低用量ピルとは、服用することで月経や妊娠をコントロールすることができる薬です。
低用量ピルには、卵胞ホルモン（エストロゲン）と黄体ホルモン（プロゲステロン）の2つの女性ホルモンが配合されており、毎日1錠ずつ服用することで避妊効果を発揮します。
その他にも、PMSや生理痛などにも効果があることから、近年服用する女性が増えているのです。
また、ピルには低用量ピルのほかに中用量ピルがあり、それぞれ女性ホルモンの配合量が異なります。中用量ピルは、女性ホルモンの配合量が多く、主に緊急避妊薬（アフターピル）や生理周期をずらす目的で使用されます。
低用量ピルは、中用量ピルに比べて女性ホルモンの配合量が少ないため、比較的副作用が現れにくい特徴があります。
低用量ピルの避妊効果
日本産婦人科学会によると、低用量ピルを正しく服用した場合の避妊確率は約99.7%とされており、非常に高い避妊効果を発揮します。
コンドームを正しく使用した場合も約98%の避妊効果があるとされていますが、コンドームの破損や劣化、使用中に外れてしまうといったトラブルがあると避妊効果が大きく低下してしまいます。
一方、低用量ピルは、ルールを守って毎日服用を続けることで妊娠を防ぐことができるので、比較的安全と言えるでしょう。
飲み忘れなどがあると避妊効果が低下する点には注意が必要ですが、パートナーが非協力的であった場合などにも有効です。
参考：日本産婦人科学会「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン （改訂版） 」
低用量ピルで避妊効果を得られる仕組み
「なぜ低用量ピルを服用すると避妊できるの？」と疑問に感じたことはないでしょうか。
低用量ピルには以下の3つの作用があり、これらの働きによって高い避妊効果を発揮します。
・排卵の抑制
・精子の子宮内進入の抑制
・受精卵着床の抑制
ここからは、それぞれの作用について詳しく解説します。
排卵の抑制
低用量ピルの作用として、まず挙げられるのは排卵の抑制です。
先述したとおり、低用量ピルにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンが含まれ、服用することで女性ホルモンの血中濃度が上昇します。
排卵は、脳の視床下部の司令によって、卵巣から女性ホルモンが分泌することで起こります。
しかし低用量ピルを服用すると、女性ホルモンの血中濃度が上昇し、卵巣から十分に女性ホルモンが分泌していると視床下部が勘違いをします。
そうすると、視床下部から排卵を促すための性腺刺激ホルモンの分泌が抑制され、排卵が起こらなくなります。
精子の子宮内進入の抑制
低用量ピルには、精子の子宮内への進入を抑制する作用があります。
子宮の入口部分は子宮頚管粘液という粘液で満たされており、排卵期になると子宮頚管粘液の量が増え、精子が通過しやすい状態になります。
しかし、低用量ピルを服用することで子宮頚管粘液の分泌量が減り、かつ粘度の高い状態に変化するため、精子が子宮内に進入しにくくなるのです。
受精卵着床の抑制
低用量ピルには、子宮内膜の増殖を抑える作用があります。
通常、排卵の時期になると女性ホルモンの影響で子宮内膜が増殖します。
妊娠に備えて、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚くするのです。
しかし、低用量ピルを服用すると子宮内膜の増殖が抑制されるため、仮に精子が子宮内に進入し受精したとしても、受精卵が着床しにくくなります。
低用量ピルの正しい飲み方
低用量ピルを服用する際は、基本的に以下の2つのルールを守らなければなりません。
・毎日同じ時間に1錠飲む
・休薬期間を設ける
これらの用法用量を守ることで、低用量ピル本来の高い避妊効果を発揮します。
ここからは低用量ピルの正しい飲み方について詳しく解説します。
毎日同じ時間に1錠飲む
低用量ピルは毎日1錠ずつ、なるべく同じ時間に服用することで高い効果を発揮します。
服用時間に決まりはありませんが、飲み忘れのないよう自分の生活パターンに合わせて、服用のタイミングを決めておくと良いでしょう。
低用量ピルの服用時刻に合わせて、スマホなどでアラームを設定したり、ピルシートに曜日シールを貼っておくのもおすすめです。
万が一、1日分のピルを飲み忘れた場合は、翌日気付いた時点ですぐに飲み忘れた分を服用しましょう。その後は、また通常どおり1日1錠ずつ服用すれば問題ありません。
ただし、仮に2日連続で飲み忘れた場合は、そのシートの服用を中止し、次の生理の初日から新しいシートを服用し直す必要があります。
服用を中止している間は避妊効果が低下する可能性があるため、性行為時はコンドームなどほかの避妊法を行いましょう。
休薬期間を設ける
低用量ピルを服用する際は、7日間の休薬期間を設ける必要があります。
休薬期間を設けることで卵巣や子宮内膜の働きを定期的に再開させ、卵巣や子宮の働きを正常に保つためです。
また、避妊に成功している場合は休薬期間中に消退出血が起こります。
休薬期間を設けることは、妊娠の有無を確認する方法にもなるのです。
仮に休薬期間中に消退出血が見られない場合は、避妊に失敗している可能性があるため、念のため妊娠検査をすると良いでしょう。
具体的な服用方法としては、28日間を1サイクルと考え、21日間は実薬を服用し、7日間は服用を休止します。
低用量ピルには1シート21錠入りと28錠入りのものがあり、21錠入りのシートを服用する際は7日間ピルを休止します。
28錠入りのシートを服用する際は、7日間分プラセボ（偽薬）が用意されているので、そちらを服用します。
28錠入りのシートの場合は毎日1錠ずつ継続して飲み続ければ良いですが、21錠入りのシートの場合は自身で休薬期間を管理する必要があるので、カレンダーなどにメモしておくのがおすすめです。
自己判断で休薬期間を短くしたり延ばしたりすると、避妊効果が下がる可能性があるので絶対に止めましょう。
避妊目的でなくても低用量ピルはおすすめ
低用量ピルには、避妊効果以外にもたくさんのメリットがあります。
たとえば、低用量ピルにはPMSの原因となるプロゲステロンの分泌を抑える作用があるため、生理前に表れる頭痛や不眠、イライラなどの症状を緩和する効果があるのです。
また、低用量ピルは子宮内膜の増殖を抑えるため、生理痛や経血量を緩和する効果も期待できます。
そのほかにも低用量ピルには、女性ホルモンのバランスを整える作用があり、生理不順を改善することもできます。
そのため、避妊目的でなくても、PMSや生理不順に悩んでいる方は、ピルの服用を検討してみると良いでしょう。
低用量ピルの入手方法
低用量ピルは、病院やクリニックへ行くことで処方してもらえます。
ドラッグストアなどでは市販されていないため注意しましょう。
また、インターネット通販や個人輸入品で購入することも可能ですが、これらの方法で入手した低用量ピルは、正規品でない可能性があるため避けましょう。
最近はオンラインで診療を受け、低用量ピルを郵送してもらうことも可能です。
自宅にいたまま低用量ピルを処方してもらうことができるので、通院する時間がない方や人目が気になる方におすすめです。
まとめ
低用量ピルを正しく服用することで、高い避妊効果を得られます。また避妊目的でなくても、PMSを改善したり、つらい生理痛を緩和したりするなどのメリットがあります。
ただし、低用量ピルの避妊確率は100%ではないため、休薬期間中に消退出血が見られなかったり体に異変を感じた際は、医師の診療を受けるようにしましょう。
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